肝斑は、黄色人種である日本人の皮膚には出来易いとされており、30歳代〜40歳代に多く発症します。60歳代以降は、ほとんど発症するケースは無く、シミが薄くなったり、消える事が知られています。肝斑は、女性ホルモンのバランスや妊娠、経口避妊薬の服用などが原因と考えられていますが、発症のメカニズムは解明されていません。肝斑は、基本的に頬骨周辺や額、口の周辺などに左右対称性に褐色のシミが現れる特徴がありますが、稀に左右非対称の老人性色素斑現れるケースもあります。
シミが多種多様である様に、肝斑治療の方法も内服薬や美白外用剤、レーザー治療、光治療、ケミカルピーリング、そしてビタミンC誘導体イオン導入など多種多様です。基本的に肝斑治療は、肝斑のシミの原因となるメラニンやメラノサイトの排出や抑制の必要があります。肝斑治療の内服薬に含まれる色素沈着抑制効果をもつトラネキサム酸などの有効成分は、血流により皮膚の隅々まで行き渡り、表皮の深い所にあるメラノサイトに薬効を発揮します。トラネキサム酸の効果の目安は、約4週間〜5週間で現れます。
ビタミンCやハイドロキノンなどの美白外用薬は、皮膚の角層などのバリア機能を通過してメラノサイトに薬効を発揮します。肝斑には、内服薬と美白外用薬の併用が効果的とされています。紫外線以外の要因で発症している肝斑の場合、メラニンを含む細胞を破壊するレーザー治療は、更に色素沈着が強くし症状を悪化させるとされています。肝斑は一度改善しても、また発症することもあります。