30代から40代になると頬や額などに出てくる左右対称の淡褐色のシミを肝斑といいます。肝斑の多くは扇状に広がり、肌をくすませてしまう原因にもなってしまいます。肝斑が出来る原因は、主に女性ホルモンのバランスが関係しているとされており、通常のシミとは違うため、自分でシミを解消するケアを行っても効果がないことも少なくありません。そのため、肝斑治療は病院で受けることが症状の改善にはおすすめです。
では、病院ではどのような肝斑治療が行われているのでしょう。代表的な治療は3種類あります。一つ目が、アミノ酸の一種でありメラニンを抑制する作用を持ったトラネキサム酸の内服療法です。根本的にシミが出来る原因を絶つことで、肝斑の症状を改善していくこととなります。
この場合、血液を通して全身に薬効が行きわたるので、顔だけではなく体全体のシミにも効果があります。二つ目は、美白成分であるハイドロキノンや肌のターンオーバーを早めるトレチノインを外用薬を用いる方法です。一般的なシミ治療でも使われるものですが、先述したトラネキサム酸の内服と併用することで、より効果を高めることが出来ます。最後はレーザー治療です。
以前は肝斑治療でレーザーを照射すると、その刺激によって肝斑が悪化するとされており、肝斑治療でのレーザー治療は禁忌とされていましたが、昨今の研究で肌への炎症が起きない程度に出力を弱めてレーザーを照射することで、肝斑を解消できるようになりました。病院では、上記の治療方法を患者の肝斑の状態に合わせて、適切に組み合わせた治療が行われるのです。